クラリネット・ライフvol.6
クラリネット講師のありよしなおこです。こんにちは。
今回は楽器のお手入れについて。
クラリネットは木から作られてますから、しまう前には必ず水抜きをしましょう。
水抜きをしないと管体が割れたりヒビが入ったりしますし、タンポが水を含んだままだと膨らんでトーンホールがふさがらなくなったりします。トーンホールがふさがらないと音が出なかったり予期せぬところでキャー音が出たりしますからね。
用意してもらいたいのは2つ。
スワブ
あぶらとり紙
これは必須です。その他に小さなハンカチなどケースに入れておくと便利です。
スワブはハンカチみたいな布にひもがついてて、ひもの先端に重りが入っているもの。
この重りをマウスピースだけ外した管体に入れて、ベルから出てきたところを引っ張るとハンカチ部分で管体内部の水分が拭き取れるというもの。楽器を購入するときにオマケでついてくることが多いです。
管体を覗いてみて、すっかり水分が拭き取れるまで何度かスワブを通しましょうね。
そして次に楽器を分解したら、コルクとその対応するソケットにたまってる水分も拭き取ります。
スワブでコルク周りを拭くとグリスがついてスワブの吸水性が落ちるので、わたしは別のミニタオルを使います。でもスワブで拭いてはダメってことはありません。
最後、上管のタンポの水分。
ここであぶらとり紙を使います。粉がついてなければどんなあぶらとり紙でもいいですよ。ドラッグストアには安く売ってますよね。
わたしは上管タンポは息で水分を吹き飛ばしてから紙で吸い取りますが、タンポの寿命が縮むといって吹き飛ばさない人もいるし、逆に管体の内側に吸い込んでスワブで拭き取る人も。
ともかくタンポに水がついたままでは楽器に悪いので、紙を挟んで水が切れるまで吸い取りましょう。冬場の吸い取り残しは管体の割れに直結するので特に念入りに。
ここで注意してもらいたいのは、タンポに紙を挟んだ状態で引っ張り抜かないこと。濡れた紙は破れやすく、破れた紙がタンポに付着したまま残ってしまいます。必ずキーを押すなり離すなりしてタンポを浮かせてから紙を外しましょう。
それから、マウスピースは樹脂からできていますから、スワブは通しません。スワブはやわらかいものですが、繰り返すうちに削れて内径や内部の形が変わってしまいます。ガーゼなどで優しく拭くだけで充分です。
以上が日常のお手入れ。
加えて言うと、演奏中も可能な限りこまめにスワブを通しましょうね。それだけでもタンポに水がたまったときに出るプルプル音を防げます。
あとは定期的にリペアへ持って行き、不具合を直してもらいましょう。3ヶ月に一度が理想だけど、わたしは4ヶ月に一回くらいになってるかなー。まめに見てもらえばオーバーホールのような大工事は必要ありませんし、修理代が高額になることもありません。
楽器も自分と同じで手をかければちゃんとした状態を保持できますし、割れたら元には戻りませんから大切に扱いましょうね!